ご案内
S協会は毎年夏に親子キャンプを行ってきたが、一九八五年ごろからアトピーの子どもが目立ってきた。
「当時、除去食の考えは拡がりだしたけれど、除去食でもなかなか治らず、お母さんは対応に困っていた。
家族みんなのストレスがたまるのは当たり前。
それで、アトピーの乳幼児キャンプを特別にやった。
最初はかゆくて眠れない子どもが、二〜三日目からスースー眠っている。
アトピーのキャンプでは除去食はしないが、穀物中心と野菜、自然な調味料だけ。
子どもたちは自然のなかでいっぱい遊び、親は同じ悩みをもつ人たちと語り合うことで、解放されていくんです」なぜ、アトピーの子どもがこんなに増えているのか。
Tさんは「戦後の添加物たっぷりの食生活のツケが、アレルギーの遺伝子となって子どもに現れた」と指摘する。
いまアトピーの子をもつ親は、添加物とともに大きくなったといってもよい。
一九五六年にインスタントラーメンが発売され、その後、加工食品が激増した。
加工食品のまったくのらない食卓は想像もできないぐらいだ。
「砂糖の量もすごいよね。
本来とるめやすは大人で一日二〇グラムぐらいだけど、ジュース一本でその半分近くは入っている。
卵も牛乳も食べすぎ。
甘いものや動物性食品をよく食べるから、水分もとりすぎる」そして、栄養学が西洋から入ってきて、日本の食事スタイルを変えてしまったことが大きいと言う。
「栄養学の根底は肥育学。
つまり、豚や牛を早く大きく生産するためのもの。
学校の教師や看護婦さんほど、まじめに栄養学を勉強している。
そんな家庭に、アレルギーの子どもの頻度が高いと思うね。
人間の知能や社会性は、計量できる科学だけでは説明しきれないんだ。
アトピーの相談に来た人には、こんな話を説明しながら、日本の伝統的な食事を取り戻そうと言っている」伝統食といっても、そんなに昔の話ではない。
四〇代、五〇代の人なら、子どものころに食べていた食事内容を思い出そう。
ご飯と野菜の煮物、魚、佃煮、漬物だ。
「遠足でいちばんおいしかったのは何と聞いて、おにぎりと答える子は、本能的に体がおいしいものを知っているんだよ」S協会では週二回の健康相談日を設けている。
アトピーに限らず、あらゆる症状を訴える人が対象だ。
病気は本人だけでも、食事は家庭の問題だから、なるべく家族いっしょに来てもらっている。
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